最高裁判所第三小法廷 昭和59(あ)1199 判決
主 文
本件上告を棄却する。
理 由
弁護人清井礼司の上告趣意第一は、憲法三八条三項違反をいうが、A殺害及びB
殺害に関する被告人の自白は、その補強証拠となりうる共犯者Cの自白のほか、原
判決の維持する第一審判決の掲げるその余の関係各証拠により補強されていると認
められるから、所論はその前提を欠き、同第二は、事実誤認の主張であり、被告人
本人の上告趣意のうち、自白の補強証拠がないとして憲法三八条違反をいう点がそ
の前提を欠くことは、前叙のとおりであり、その余の憲法三八条違反の主張は、記
録を調べても所論被告人及び共犯者Cの各自白の任意性を疑うべき証跡は認められ
ないから、所論はその前提を欠き、その余の点は、判例違反をいう点を含め、その
実質は事実誤認、単なる法令違反の主張であつて、いずれも刑訴法四〇五条の上告
理由に当たらない。
また、記録を調べても、同法四一一条を適用すべきものとは認められない(被告
人がCと共謀のうえA及びBを殺害したことを含め、第一審判決を維持した原判決
の認定は正当であると認められる。また、被告人は内妻Cらと共謀のうえ保険金目
当てに三名を殺害するなどしたものであつて、その刑責は重大であり、原判決が維
持した第一審判決の科刑は、やむをえないものとして当審も是認せざるをえない。)。
よつて、同法四一四条、三九六条、一八一条一項但書により、裁判官全員一致の
意見で、主文のとおり判決する。
検察官西岡幸彦 公判出席
昭和六三年三月八日
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 伊 藤 正 己
- 1 -
裁判官 安 岡 滿 彦
裁判官 長 島 敦
裁判官 坂 上 壽 夫
- 2 -